”電話対応に追われる日常からの解放”
—まず先生の中で、歯科医院における電話をどのように捉えていらっしゃいますか?
森村征史医院長(以下森村先生): 電話は正直言って煩わしいです。スタッフAさん(受付)はよく「電話が鳴らないで欲しいとよく思います」と言っていますね。それが正直なところです。
—どういったところに煩わしさを感じていますか?
受付・スタッフAさん(以下Aさん): まず、日々の業務の中で電話にしっかりと対応できるほどの余裕がないということが大きいですね。加えて、予約に関する電話だけであればいいのですが、患者さんによっては医療相談のような電話がくることもあり、内容的にも他の業務の合間の時間では対応しきれないということもあります。あとは忙しい中でせっかく電話に出たのに営業の電話だったということも煩わしいところの一つかなと思いますね。
—電話も長引くと結構な長さになることもありそうですね。
森村先生: 事務的に単に予約を取りたいという人は確かにいます。しかし、そうじゃない人も結構多く、相談したいという方もいます。相談したいとなると、やはり人間でないと対応ができませんよね。歯科医院によっては電話での相談には一切応じないというところもあるかと思いますが、当院の場合はできる限り相談に乗ることにしているので、そうすると余計に電話に割かれる時間が増えてしまいますね。また一度そういった電話を取ってしまうと正直何分かかるかわからないです。
受付・Aさん: どちらかというと当院は目の前にいる患者さんを優先して、電話には無理には出なくていいというようにしていました。
森村先生: うちのスタイルとして、誰にプライオリティがあるのかを明確に、厳密に決めています。予約を取って来てくれている人にプライオリティがあるというものです。ですから予約の人をないがしろにしてまで予約をしていない人の診療をするとか、約束をしていない人の電話対応するとかは一切ないようにしています。
—電話に対するルールはどのようにしていましたか?
受付・Aさん: 最初から出られないときは留守電にして、手が空いたら折り返すので名前を言ってもらい、名前を言ってくれた人には折り返すようにしています。
—なるほど、ただそれだと休み明けなどには結構な電話がたまってしまったりしそうですね。
受付・Aさん: それに関しては、休診のときは後日掛け直してくださいというような留守番対応にしていましたね。また診療中も対応できるスタッフがいない時は在宅留守電にしていました。
”留守電の限界を超えるAI電話の力”
—なるほど、そんな中でPay Light Callを導入する決め手には何があったんでしょう?
森村先生: 最初は留守電よりはいいかなという感覚でした。留守電だと電話を切ってしまう人が多く、用件のメッセージを入れるところまで辿りつかないんですね。どういう意図で電話してきたのかっていうところがわかると、その後のフォローの仕方が変わってくるとはずっと思っていましたので、Pay Light Callはぴったりだと思いましたね。
—なるほど、では今Pay Light Callはどんな使い方をされていますか?
森村先生: 診療中に電話に出られるスタッフがいない時に、3コールで取れなければ転送するような設定にしています。時間外はPay Light Callは使わず留守番電話を使うようにしています。
”AIがもたらす心の安らぎと業務効率化”
—実際、Pay Light Callを導入して電話を取らなくても大丈夫となると、心のゆとりは生まれますか?
受付・Aさん:かなり生まれましたね。会話を録音してくれるのが非常に助かります。そうすると相手の方の意図がすごくよくわかるんです。さらに多くの方がちゃんとAIと話をしてくれるのですごく助かっています。また要件はまとまっているので折り返すときにも、かかる時間はすごく短く済むんです。結果として手を取られる時間が半分ぐらいになったのではないかと思います。
森村先生: あとPay Light Callを使って感じたのは、人がAIに対して寛容だということですね。例えば、要領を得ない人間が対応した場合と要領を得ないAIが対応した場合とでこの2者を比較したとき、要領を得ない人間が対応したら、相手は怒るんですよ。しかしAIが対応すると、要求が全部伝わらなかったとしてもしょうがないよねって言ってくれるんですよね。そうだよね、お宅は混んでるし、人もいないし、確かにしょうがないよねAIが電話でもねって言うんです。
—なるほど。AIだから文句言われるのかと思いきや、AIの方が納得してくれるという、それは思いがけない副産物ですね。
森村先生: お年寄りをはじめ今の人々は、相手がコンピュータだったり、AIだったりした場合に、自分がそれを使いこなせてないことに問題があって、相手が悪いわけではないと解釈してくれているのかなと感じています。
—確かにそういうところはあるのかもしれませんね。対応してくれているのがAIだと思えば、喋り方もちょっと変わると思いますし、ちゃんとAIに聞き取れるように喋ったりとか、人間の方が合わせていくことも多いのかもしれません。
森村先生: そうですよね。ほら、AIに文句言ったってしょうがない、というふうに発想が切り替わるんだと思います。
—他の医院さんからもいただく感想で、AIで対応することによって、必要以上のことを患者さんは伝えなくなるので、かえって電話に時間かかっていたものが短縮されて、本当に伝えないといけないことだけ伝えるようになるようですね。そこは結構メリットになるかなと思います。
森村先生: そうだと思いますね。
”AI電話が切り開く未来への期待と挑戦”
—Pay Light Call導入に際しての懸念点はどんなものがありましたか?。
森村先生: 結構みんなAIが出た瞬間にもう電話をすぐ切ると思っていました。だから思ったよりみんな用件をちゃんと入れてくれてるなっていう印象がありましたね。留守電と大して変わらないだろうなと予測してましたが、それが意外と皆AIとやり取りするんですよね。
—留守番電話の場合、要件を残してくれている確率が大体10〜20%と言われているんです。ただ今Pay Light Callが2月から始まって、使っている医院さんのデータを集約すると大体50〜60%ぐらいはメッセージを入れてくれているという傾向がありますね。
受付・Aさん: あと最終的にオペレーターの方がまとめてくれるのは非常に助かります。AIで対応しきれない場合でも、最後は人で要件をまとめておいてくれる。患者さんも最初は何かよくわからないけど、最後は誰かに繋がったからよかった、となるのでそれはいい部分かなと思いますね。
—操作性に関してはどのように感じていますか?
受付・Aさん: 非常に使いやすいと思いますね。
—ありがとうございます。なるほど。今Pay Light Callを使っていただいていますが、電話対応をやってくれる受付の人を雇おうという考えはなかったんでしょうか?
受付・Aさん: なかったですね。電話ってとても重要なんですよね。予約を取ったり、それで全ての仕事の段取りが決まる部分もあるわけですから、医学的知識がある方やコミュニケーション能力が高い方でないと対応ができません。有資格者で状況を判断できる人が電話を取ってくれればそれでいいかなという感じでした。
—人を育てるのも大変ですし、一から教えるにも時間やコストがかかります。育てたのに辞めてしまわれると正直、困りますよね。人間は非常に不確実性が高い反面、AIは機能的にはまだ限定的ですが、即戦力で確実性が高いです。
森村先生: 人を増やしたから、教えたからといって必ずしもその分楽になるかというと意外とそうでもないと思います。教える手間が増えますし、お金がかかる部分もありますからね。
—普通の他の受付より歯科の受付は難しいというところがありますよね。実際Pay Light Callを導入して心のゆとりが生まれたりとか、仕事量が減るなどありましたか?
受付・Aさん: すごく助かってます。思った以上に助かってますね。要件がまとまっているっていうのが一番助かってますね。
—こういったPay Light CallのようなAI電話のような新しいものを取り入れることに対して、森村先生はどのように考えられていますか?
森村先生: 私は歯科医院のような中小企業を経営するにあたって、人はリスクでしかないと考えているんです。コンプライアンス的なリスクもあるでしょうし、機械に置き換えられるものならば人件費のコストもカットできます。また、これからの時代、コンピューターより期待値や収益性が高い人を見つけることも相当難しいと思います。たまにこちらの期待をすごく上回るような人に出会うことはありますが、安定的に供給でき、獲得できる労働力としてはやっぱり機械のようなものは欠かせないと思いますね。
—おっしゃる通りかもしれませんね。また1人の歯科医師であると同時に、歯科医院の経営者であるということを考えると、大切な考え方のような気がします。
受付・Aさん: そういった考え方もあったので、AIの電話があったらいいねあったらいいねってずっと言っていて、そこでPay Light Callの話を聞いたので「これは」と思ったんですよ。「先生、ついに来ましたよ」みたいな感じでした。
森村先生: 自分でAI電話を開発する時間もないですからね(笑)。今のテクノロジーで十分実現可能だから、賢くて意欲のある人たちがPay Light Callのような事業をやってくれたらいいのにねっていうのは結構あるんですよ。
—待っていたものを提供できて嬉しい限りです。一方で、率直に今このPay Light Callでここが足りない、こういうのがもっと欲しいという意見がありましたら教えてください。
森村先生: そうですね。例えばAI電話がChat-GPTぐらい賢くなって、患者さんの治療の内容や医療相談に回答してくれたらすごくいいなと思いますね。ネットから得られるような一般論の情報で構わないですから。
—なるほど、今先生がおっしゃったことは、実はまだ時間がかかるかもしれないですが、患者さんの情報をある程度AIに学ばせたりしておけば、ある程度の質問には答えることが可能になると思いますね。
森村先生: そこまでできたらすごいと思います。例えばその患者さんのカルテの記録を全部データベースにして、ちゃんとその人がこの人物であると識別ができたら、過去の履歴のデータと対応させて質問に答えることができるわけですよね。もうこれはちょっと賢い人間レベルを開発することと同義だと思います。そこまでいったら、素晴らしすぎていくら払ってもいいなと思ってしまいますね。
—今、Pay Light Callでお手伝いできている部分も多くあるのかなと思いますが、まだまだAIや我々のプロダクトでお手伝いできそうなことはたくさんありそうですね。医院の皆さまの助けになるようなものをこれからも提供していきたいと思います。お話を聞かせていただきありがとうございました。
※掲載内容は取材当時のものです。